かもめ食堂

映画の話の続き...

今日は「かもめ食堂」。相変わらず、ネタバレ(という言葉自体も実は嫌い。なんか品がないっていうか)を恐れながら書く。

まず、この映画は、シナモンロールがおいしそう。そこで心を掴まれた。食べ物の威力。それまでシナモンロールって、あんまり魅力ある食べ物とは思っていなかった。スターバックスとかにも売ってるけど、たまーになんとなく食べてみるだけで、特に何の感想も持っていなかった。でも、映画に出てくるシナモンロールの美味しそうなことといったら! 美味しそう、というだけではない強いパワーを感じる。そのパワーが物語を一気に前に進めるのだ。食べ物の威力。

食堂の話だから当たり前か。今、気づいたのかお前、という感じだが。

いらっしいませー、というシンプルな言葉、日頃は割に聞き流している(ごめん)言葉。こんなにいい言葉だったのかーと思う。映画でも小説でもそうだが、見慣れたもの、見過ごしているものを再定義して、その本当の魅力を教えてくれる、ってところがあるよね、良い物語って。What a wonderful world! って言いたい気分にさせられるというか。その言葉は手放しの歓喜とともに発せられるものではなく、ほんの少しの涙が混じっていたりする。